バイケイソウの一年

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春のバイケイソウの出芽から夏の開花・結実までの一年の変化を、
箱根駒ケ岳・神山に生えるバイケイソウを例にまとめてみました

4月
4月になるとすぐに日の当たる林床から多数のバイケイソウの芽が出始めます。
(2003/4/11
この時期の林床は明るく、バイケイソウ以外には大きな草本植物は見あたりません。
(2009/4/11)

5月
5月にはいると林床は一面バイケイソウの緑で覆い尽くされます。この林の主な構成木はオオイタヤメイゲツ、アブラチャンですが、この時期はまだそれらの樹木の葉は展開していません。
(2003/5/9)
5月中旬以降になると一部の個体(赤丸内)から花序が伸びてきます。花序を形成する個体数は年によって異なりますが、群落全体の1/10程度です。
(2003/5/24)

6月
6月にはいると花序が大分成長します。写真のように花序の出来る個体は間隔をおいて2、3株並んでいるのをよく見かけます。
(2004/6/16)
花序の出来なかった個体は葉が下のほうから枯れていき、倒れてしまいます。バイケイソウハバチ幼虫による食痕も目立ちます。
(2004/6/15)
個体が枯れる際には、褐変してドロドロに溶けたような状態になります。
(2004/6/15)
バイケイソウに占有されたところでは枯れた跡の地面がむき出しになります。ですが、この後に夏の植物が生えてきます。
(2003/6/27)

7月
7月にはいると開花が始まります。花は有機溶媒のような独特の臭気を発します。
(2004/7/3)
花の臭気に誘われるのか多くの昆虫が集まります。虫が吸蜜する際に背中に花粉がつき、受粉が行なわれます。
(2004/7/3)

8月
8月半ばには花は咲き終わり、莢が膨らんできます。
(2004/8/21)
熟した莢は褐変して裂開し、種子を放出します。
(2004/8/21)